日本軍政下のジャワにおいて歌われた歌 ―ジャカルタ近郊での調査を通して―

서지정보

· 발행기관 : 동서대학교 일본연구센터
· 수록지 정보 : 차세대 인문사회연구 / 16호 / 297 ~ 312페이지
· 저자명 : Aya Maruyama

초록

アジア・太平洋戦争期、日本軍はジャワにおいて、映画、ラジオ、グラフ雑誌などの視聴覚に訴えかける手段を用いた宣撫工作を実施した。これらのすべての手段にかかわったのが音楽である。当時から、ジャワを含む「南方」諸地域の住民は音楽、殊のほか歌を愛好する民族であるため、音楽による宣撫工作は有効であるとされてきた。1943年1月より同地において刊行されたグラフ雑誌Djawa Baroeや1942年4月創刊の現地語新聞Asia Rayaにも歌が掲載された。このように、歌はあらゆるメディアで紹介されたとはいえ、実際に現地の人々に歌われたのか、つまり同地に普及していたのだろうか。本研究では、日本軍政下で宣撫工作に用いられた歌が当時を知る世代に認知されているのかを調査することで、歌の普及について検討した。
　本稿では、朝日新聞社がジャワ島に設立したジャワ新聞社によって刊行されたグラフ雑誌Djawa Baroeに掲載された歌に焦点をあてた。同誌に掲載された歌は、時期によって特徴がある。まず、『ウタノヱホン　大東亜共栄唱歌集』所収の歌や祝日大祭日儀式唱歌をはじめとする日本の歌が移入される。これら日本の歌が紹介されたのち、1944年になると、啓民文化指導所が制作した現地語の歌曲が掲載されるようになる。1943年4月にジャワに開設された啓民文化指導所は、日本人の指導のもと、現地のスタッフとともに文化政策を担う機関で、同所の文学部が歌詞を提供し、音楽部によって曲が付けられ、現地語の歌が制作された。1945年に入ると、同誌には啓民文化指導所が制作した歌の掲載が見られなくなり、若干の日本語の歌が掲載されている。さらに、軍政監部によって歌詞のコンクールが実施されて制定された2曲の「国民学校の歌」も踊り方とともに紹介されている。
　歌の認知度についての調査にあたり、インドネシア・ジャカルタ近郊在住の4名の対象者からの協力を得た。調査対象曲は、Djawa Baroeに掲載された6曲に加え、1942年に「南方唱和の歌」として、公募によって成立した歌曲《八重潮》とした。調査を通して、日本軍政下のジャワにおいては、さまざまな場面で日本の歌が歌われていたことがわかった。

참고자료

· 없음