平安朝物語における「遺言」の考察 ：当時の社会的実状の反映という視点から:

서지정보

· 발행기관 : 한림대학교 일본학연구소
· 수록지 정보 : 한림일본학 (구 한림일본학연구) / 28호 / 5 ~ 32페이지
· 저자명 : 윤승민

초록

平安朝物語作品のなかでは、死を前にした人とこの世に残される人々との悲しさや切なさ がよく感じ取れる印象深い場面が多い。その際、死を前にした人が最後に自分の心境を表す メッセージが遺言であり、残された人々に多大な影響力を持つ。平安朝物語における遺言の 様相をみると、まず最も一般的なパターンは、臨終に向かった人が我が子の身の上を案じ、 最も信頼できる人物に子孫の後見を依託する場合である。こうした後見の依託には、当時の 一夫多妻制という結婚制度から派生した 「継子いじめ譚」がその根底に流れている。そして 「後見」という言葉も十一世紀を前後してその概念に変化がみられるが、このような後見の意 味変化は 『源氏物語』では遺言を通して表れている。 別のパターンとして、姫君の不安定な境遇を案じる親心から行われた遺言も存在する が、そこには二つの相違する傾向がみられる。一家の繁栄を念願し、それを達成する方法と して入内や結婚を命じる遺言がある反面、入内や結婚よりも自分の死後の不名誉を心配し、 親の面目を潰さないように強く戒める遺言もある。こうした遺言が現れた背景には、娘の将 来に家門の繁栄を賭けた時代背景があると思われる。しかし、摂関時代が最盛期を迎えて藤 原道長が強力な権勢を握る時期になると、入内を通した家の繁栄はもはや不可能となり、そ れが上記の相違を生じさせた理由とも考えられる。 遺言は物語の構想とも関わりを持ち、予言や夢などと結びついて物語を展開させる一つ の原動力となっている。遺言は、物語の構想のもとで物語の方向性を決定し、主題を完成 させるための布石、伏線としてその役割を果たしている。そして、文学は時代を映す鏡とも 言われているように、こうした遺言の描写は平安時代当時の実状を色濃く反映しており、こ うした事実が本稿の考察を通して確認できたと思われる。

참고자료

· 없음