津波と漁民の信仰

서지정보

· 발행기관 : 비교민속학회
· 수록지 정보 : 비교민속학 / 50호 / 125 ~ 136페이지
· 저자명 : 川島 秀一

초록

「津波常習地」である三陸沿岸は、この約120年のあいだでも、４回の大津波に襲われている。津波で陸に上がった大きな石を「津波石」として、災害の記憶を留める記念の石として残していたばかりではなく、その石に自然に対する畏敬の念も込めていた。それは、三陸沿岸では、大津波に限らず、日常的にも高潮などで陸に上がった石を「龍神」の石として祀ることがあったからである。津波も、海の底に棲む龍神に関わらせて伝えられる場合が多い。それらは沖縄の宮古島․先島諸島でも同様であり、列島の北と南に、主にシャーマンを介在させて伝えられていた。さらに三陸沿岸では、龍神が金物を嫌うと不漁になるという言い伝えがあり、海に金物を落とした場合には、その落とした金物の絵を描いて近くの神社に奉納するという、「失せ物絵馬」の慣習がある。つまり、落としたことにしないで、神に奉納するという形をとることで、不漁という災難を除けることにねらいがあった。しかも同じ絵馬に大漁を願う言葉を書き込むこともある。「災いを転じて福とする」、「ピンチをチャンスに変える」、失せ物絵馬を典型とする、このような三陸の漁師の考えかたは、何度も大津波に遭いながらも、そこから立ち上がってきたという歴史的に培われた精神に基づくものである。東日本大震災からの復興計画も、いたずらに海と人間との関わりを遮断することからは何も生まれない。「津波常習地」ゆえに生まれた生活文化とも思われるが、「津波」をも、海と人間との関わりの一つのありかたとして捉える視点を忘れては、本当の意味での復興は成しえないだろうと確信している。

참고자료

· 없음