芥川竜之介「羅生門」論 - その逆説的な世界を辿って-

서지정보

· 발행기관 : 일본어문학회
· 수록지 정보 : 일본어문학 / 82호 / 319 ~ 340페이지
· 저자명 : 신기동

초록

本論文では、「羅生門」の、無政府同然の状況において、飢死か盗人かという瀬戸際に立たされてしまった孤立同然の一人ぼっちの下人が、同じ境遇の老婆の自己弁護のための生存の論理に勇気づけられ、迷い続けていた法破りを冒してしまう過程において外なる世界といかに拘っていくのかを、芥川竜之介の他の作品をも視野にいれながら探ってみた。ためらい続け、揺れ動く下人に比べると、老婆は、遥かに健気で逞しく生きている人物である。法や秩序などが不在し、意味が持てない世界において、老婆の自己弁護が悪の循環論理を再生産する詭弁にすぎないとは言えまい。迷いから決断へ、死路から活路へ自分を導き出してくれた老婆を相手として、法破りを実行する下人の背理は、まさに逆説的な反転と言えよう。逆説的な場面と状況はここだけではない。例えば、孤立無援の一人ぼっちの下人が、死者が棄てられている空間を「一晩楽にねられさうな所」として求めなければならない状況がある。また、一時的ではあるが、腕力で「支配されてゐる」者に、逆に自己弁護の言説で動かされる関係性も取り上げられる。また、死者の身体から抜いた髪の毛で生き延びるしかない生者と、その生者から活路へ導き出される逆説的ないきさつが挙げられる。作品末尾で、下人に活路への知恵と勇気を提供しながら、その知恵と勇気の犠牲者にもなった老婆が「白髪を倒にして」下人が立ち去った「門の下を覗きこ」む場面は、逆説と不可知の世界を相対化する象徴として読み取ることも出来るであろう。

참고자료

· 없음