『懐風藻』の植物に関する考察 ─和歌集の植物調査に基づいて─

서지정보

· 발행기관 : 단국대학교 동아시아인문융복합연구소
· 수록지 정보 : 日本學硏究 / 50권 / 249 ~ 275페이지
· 저자명 : 真野友恵

초록

現下、文学上における植物の研究は多様である。そのジャンルも広範で文学作品のみならず聖書に到るまである。だが、このような研究状況にもかかわらず『懐風藻』に関する植物の研究はやや乏しく全的な植物のデータもまだない。現研究状況から推察すると、私撰集のうえ詩数が少ないことに加えて、『懐風藻』が漢字文明圏の世界に接続するという辰巳正明の見解に傾聴するべきだと考える。『懐風藻』の植物素材を研究するにあたり、先行研究による『万葉集』から八代集までの植物の関連記事に注目した。特に『日本古典詩歌文学に現れた自然』や「万葉集および平安期の勅撰和歌集にみる植物に対する行為」を参考にする。前者は詩歌に現れるモチーフから多様な性質をパターンにして日本人の伝統的な自然観に着目したものであり、それとは対照的に後者は文学的というよりは植物の緑化に論旨を定め植物学的な側面から見据えている。本論文においては『懐風藻』の植物を対象としてその数値を求め、前述の先行研究に基づいて『万葉集』や八代集に見える植物との比較を試みた。その研究方法は『懐風藻』の漢詩から全体的な植物のデータを出してから植物ならびに植物に対する叙述を把握し、植物の描写やイメージを分析した。先学の植物研究では、『古事記』『日本書紀』『風土記』や『万葉集』から八代集に至るまでデータ化されているが、まだ『懐風藻』の植物に関してはその段階になかった。『懐風藻』が中国六朝詩の影響を強く受けているため懸念があったが、同じ六朝詩をベースとして誕生した和歌集を比較することによって、共通点や相違点を把握することに重点をおいた。まとめると『懐風藻』の総指数である118首に対し、植物名は88首の約7.5割りに用いられていており、残り30首の約2.5割りには使用されてない。また、その植物は39品種を詩語として扱っていた。そのうちの蘭･蕙･槐･蓂･蓀･椒の6品種の植物は『懐風藻』にのみ詠われていた瑞草であった。さらに、植物を頻度順にすると、松、柳、梅の順であるが、『懐風藻』らしい植物をあげるとするならば、蘭や菊を列挙すべきであろう。『懐風藻』から約150年の後に『古今和歌集』が編纂されたが、『懐風藻』には2首しか見られなかった桜が最も多く歌われるようになり、春の花として定着していく様子が見られる。最後に、植物を詩の素材として詠んでいない30首の詩については、作者や時代背景には全く相関性が見られなかったが、集団によるサロン的詩詠から離れ、自己の思想を率直に描写しようとする試みが垣間見られた。

참고자료

· 없음