『宇津保物語』における秘琴の信仰的な様相

서지정보

· 발행기관 : 한국일본사상사학회
· 수록지 정보 : 日本思想 / 34호 / 163 ~ 187페이지
· 저자명 : 류정선

초록

『宇津保物語』における秘琴の信仰的な様相は、「君子左琴」という儒敎の礼楽思想のみならず、仏教と古代日本の民間信仰的な要素をもとにしている。 まず、『宇津保物語』の秘琴の仏教的な様相は「俊蔭」巻の波斯国漂流譚で濃厚に表れており、琴を仏教思想の体現の一要素として扱っているといえるほど、俊蔭一族の秘琴の伝授過程には、観音信仰、極楽浄土、輪廻思想など様々な仏教的な要素が関わっている。すなわち、秘琴獲得と秘琴伝授を主題とする俊蔭一族の琴の物語には、観音信仰によって「琴を弾き遊ぶ」極楽浄土に入り、輪廻によって「天女のゆくすえの子」という資格で秘琴伝授を受け、「琴弾きて族立つ」始祖になる仏教的な要素が設定されている。そして極楽浄土で学んだ琴を、最後、楼という人工的な極楽浄土の設定の上で披露した秘琴の音には、俊蔭一族の琴が極楽浄土の音楽であるという一貫した繋がりを表し、その極楽浄土の音楽の繋がりによって俊蔭一族の琴の神聖性を強調していくのである。 一方で、『宇津保物語』における秘琴の神聖性には、仏教的な要素とともに琴に持たされた民間信仰的な要素がその背景になっている。まず、呪術的な霊琴の様相において、琴の弦を弾いて‘神を呼ぶ’ということは、鳴弦信仰がその基になっている。 なお、琴の弦を弾き、鳴弦の呪術的な行為によって呼び起こす神は祖霊神である。祖霊神は家の繁栄を願い、予言や神託などで霊験的に子孫を保護する。すなわち、琴によって栄え行く子孫は祖霊神の保護のもとで繁栄していくことになる。このように『宇津保物語』における秘琴は、王権と結びつく礼楽思想の側面ばかりではなく、秘琴の神聖性·霊験性には、仏教的な要素と民間信仰的な要素が作用しているのである。

참고자료

· 없음