有島武郎の 「奇跡の咀」 試論 ーその作意と構想をめぐってー

서지정보

· 발행기관 : 국제언어문학회
· 수록지 정보 : 국제언어문학 / 43호 / 295 ~ 318페이지
· 저자명 : 오쿠무라유지

초록

有島武郎は、 1917年(大正６年)10月に 「奇跡の咀」 という戯曲を書いて いる。 1917年は有島が作家として頭角を現した年であり、 名のある作品を 続けざまに発表している。 その中にあって 「奇跡の咀」 は一定の評価を 受けた作品ではなく、 従って今まで注目される作品ではなかった。しか し、「クラヽの出家」の直後に書かれた小説で、共にサバティエの 『アッシ ジの聖フランチェスコ』 の一節が創作のモチーフとしている点、またロ シア革命の真っ只中で書かれている点において研究の対象となり得る と考えた。 この品は４人の登場人物を通して、 キリスト教信仰の否定的な部分を 描き、 キリスト教を批判する内容となっている。ただ、有島の作品は 「リ アルな世界」と 「象徴化された世界」という二重構造になっている場合が 多く、 この作品も表面的に表れた意味世界とは別に、 象徴化された世界 が存在していることが予測される。 「奇跡の咀」が書かれたのはロシア革 命の直後であり、 ロシア革命に関心の高かった有島は、自らの考えを暗 示的に描いて見せた。 即ち、「聖像の下山」 をロシア革命、 二人の障害者 をブルジョア階級、 甲・乙(一般市民)をプロレタリア階級に喩えた構図と なっている。 新しい時代の到来を希望と不安の中で迎えていた有島は、 それを戯曲で表現しようとした。

참고자료

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