文明と野蛮 —西郷隆盛と「東アジア共同体」の地平

서지정보

· 발행기관 : 한국실학학회
· 수록지 정보 : 한국실학연구 / 31호 / 219 ~ 258페이지
· 저자명 : 大橋健二

초록

戦後日本の特徴とは、アメリカの衛星国(satellite state)あるいは従属国(client state)と揶揄されるように、アメリカ主導の世界秩序/覇道文明の無批判な受容である｡ ヨーロッパが生み出した近代主義は、第二次世界大戦以降の「アメリカの世紀」において拡大․普遍化されるに至ったが、ここに必然的に出現したのは、アメリカ発の新たな近代主義、すなわちグローバル資本主義と経済合理主義、物質的「進歩」「豊かさ」への偏愛、科学技術․軍事力への過信、「友/敵」概念を基軸とする覇権主義等、である｡ わたしの故郷で起きている「フクシマ」(2011年3月․福島第一原発事故)に対する日本政府․産業界に見る救いがたい精神的․倫理的堕落もここに起因する｡ フクシマ被害者の悲惨を直視せず、アメリカからの圧力と経済成長第一主義で原発再稼働を決めるという、非人間的な倒錯がこの国を覆っている。近代科学が生み出した核エネルギーは、1945年の兵器利用(広島․長崎)では無辜数十万人の生命を奪い、フクシマでは日本の権力エリート達から理性と良識を奪い去った。「近代科学の営みのうちでは、偉大な発明は、理論的教養のいや増す崩壊という代価を払って購われる」「何故に人類は、真に人間的な状態に踏み入っていく代わりに、一種の新しい野蛮状態に落ち込んでいくのか」「啓蒙された文明が現実には未開․野蛮へと復帰…自己破滅へと向かう」(Ｔ․Ｗ․アドルノ/Ｍ․ホルクハイマー『啓蒙の弁証法』1947年)と語られているように、現代日本は「文明」社会などではなく、自然支配による経済成長に邁進する「野蛮」国家と化している。日本は、反知性主義とともに「文明」の「非人間性」において、今日に見るアメリカ発の新自由主義的「野蛮」の支配を是とし、「自己破滅」の道へ突き進もうとしている。2009年の政権交代時、民主党の鳩山由紀夫首相が提唱した「東アジア共同体」は、現代の「野蛮」すなわち国民より国益․経済を優先する“アメリカ的なもの”に絡めとられた戦後日本への批判を含むものであり、これを相対化しうる新たな視座を求めたものだった。ほどなくして自民党が政権に返り咲くと、「東アジア共同体」構想は、前政権の未熟と無様さの象徴としてほとんど顧みられなくなった。国家をあげて西洋「文明」との一体化を図った明治時代にあって、「東アジア共同体」構想にもっとも近い距離にいた一人が西郷隆盛(1827－77)だった。しかし西郷の「東アジア協同体」構想は、一般的には今日もなお、日韓関係におけるネガティヴな暴論「征韓論」として理解されている。本稿は「文明」と「野蛮」という視点から西郷「征韓論」の真意と彼が志した「東アジア協同体」構想について考察する。

참고자료

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