横浜の金子文子――都市をよぎる視線と近代天皇制――

서지정보

· 발행기관 : 한림대학교 일본학연구소
· 수록지 정보 : 한림일본학 (구 한림일본학연구) / 35호 / 36 ~ 76페이지
· 저자명 : 고토 유코

초록

2019年5月、日本では天皇の代替わりがおこなわれ、「令和」の元号が使用を開始された。典拠とされる「国民歌集」観を帯びた『万葉集』には、天皇制と同様、日本近代の文化装置としてあらたに動員された経緯がある。本論は、近代天皇制の完成後、日本に誕生した金子文子(1903-1926)の「視」を通し、かかる求心的な磁場に抗した精神の可能性を描出する。金子は、大逆罪を付されたのち、伝統的な歌風とは隔たった自己流の詠歌を開始した。大逆罪を付された人物は、多数存在するにもかかわらず、日本人の多くは金子にとくべつな愛惜を抱く。だが、そこには当時から今日までつづく言説の再生産が看取されるのである。理由として、彼女自身の「手記」とされる『何が私をこうさせたか』の豊饒な世界が、読み手を魅了し、事実よりも「物語」を消費する現象が継続していることが考えられる。そこで、本論は、「手記」では重点を置かれなかった横浜における金子の幼少時に、初めて焦点をあてる。20世紀初頭、発展の途にあった港都ㆍ横浜で、多様かつ多量の「生」のリファレンスを得た経験は、彼女のその後の「視」のはたらきに投影されるだろう。同地で誕生後まもなく獲得された移動性は、「血」、「性」、そして「知」の境界をも超えていく。生成し外部の世界へとひろがっていく港都のごとく、彼女の理知は、求心的な磁場に取り込まれない。そうして、中心に固定されないまま場をよぎっていく「視」は、日本文化のうちにありながら、疑似宗教としての近代天皇制が象徴する虚構を徹見するのだ。

참고자료

· 없음