東アジア共同体をめぐって

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はじめに

1997年、タイを中心に起ったアジア通貨危機は東アジア共同体結成へ向かう論議が活発に進む始発点になり、ASEAN(Association of Southeast Asian Nations：東南アジア諸国連合)をはじめ、日中韓も経済協力強化の必要性に共感し、地域主義に参加することを宣言した。2005年12月、マレーシアのクアラルンプールで行われたASEAN＋3首脳会議でASEAN10カ国と日中韓との間の合意で東アジア共同体の構築を基本としたクアラルンプール宣言が採択されることもあった。この宣言は東アジア共同体が政治、経済、安保など幅広い分野の協力を目指すことを明らかにし、ASEAN＋3が共同体の中心的な役割を果たすという意志の表れである。では、東アジアにおいてASEAN＋3はどのような役割を果すのか。それと共に各国の東アジアに対する見解や立場を調べたい。

東アジア共同体の利点

『東アジア共同体―経済統合のゆくえと日本―』で谷口誠は次のように述べている。(79-80pp)
「東アジア(ASEAN＋日・中・韓)の経済規模(人口および国民総所得Gross National Income=GNI)を、拡大EU(European Union：欧州連合)およびNAFTA(North American Free Trade Agreement：北米自由貿易協定)と比較してみよう。2002年の経済規模を単純に比較しても、東アジアは人口において拡大EUの約4.4倍、NAFTAの約4.7倍と、断然大きい。GNIにおいては、名目GNIで東アジアは約6兆5000億米ドルで、拡大EUの約8兆4000億米ドル、NAFTAの約11兆4000億米ドルよりかなり小さい。しかし購買力評価(Purchasing Power Parity=PPP)によるGNIでは、東アジアの約11兆6000億米ドルはNAFTAの約11兆9000億米ドルに接近し、拡大EUの約10兆3000億米ドルを超えている。東アジアのGNIは名目とPPPとでは大きな差があるが、実態は両者のほぼ仲間にあるとみてよい。このことからいえることは、東アジアにASEAN＋日・中・韓の経済共同体が出現すれば、経済規模としては拡大EU、NAFTAに匹敵する、大規模な経済共同体になるであろうということである。」

참고자료

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