日本神話に現れた「死」と「再生」 ー神話解釈史の視点からー

서지정보

· 발행기관 : 단국대학교 동아시아인문융복합연구소
· 수록지 정보 : 日本學硏究 / 46권 / 175 ~ 192페이지
· 저자명 : 斎藤英喜

초록

日本神話は長い解釈の歴史をもっている。平安時代の「日本紀講」にはじまり、中世の神道家、仏教者による注釈、近世の国学者、近代における神話学、歴史学、国文学などの解釈である。 『古事記』『日本書紀』にあらわれた「死」と「再生」の神話もそうした解釈史のなかにある。近世の国学者・本居宣長の『古事記伝』の解釈は、現在の研究者も参照するような「実証的」なものとして扱われるが、弟子の平田篤胤の『霊能真柱』(たまのみはしら)の解釈、とりわけ出雲大社に祭られるオホクニヌシを「幽世の大神」(かくりよのおおかみ)として位置づけ、死後の人びとの魂を支配する神とみなす解釈は、篤胤独特な「神学」にすぎないものと退けられてきた。それは『記』『紀』原典を「曲解」(きょっかい)したものと批判されるのである。 篤胤の「神学」的な解釈にたいする批判の仕方は、中世の貴族知識人、僧侶、神官たちが作り出した『日本書紀』の注釈学を「牽強付会」(けんきゅうふかい)「空理空論(くうりくうろん)」と否定してきた、近代的な学問観とも通じている。実際、篤胤が「幽世の大神」説を導くために参照した一条兼良(いちじょうかねら)『日本書紀纂疏』(にほんしょきさんそ)、あるいは慈遍(じへん)『旧事本紀玄義』(くじほんぎげんぎ)、春瑜(しゅんゆ)『日本書紀私見聞』(にほんしょきしけんもん)などの著作では、「黄泉国」を「地獄」と解し、スサノヲを「閻魔王」であり、本地は「地蔵」とするような、仏教による神話解釈が繰り広げられているのである。 こうした中世の『日本書紀』注釈の世界は、古代神話を仏教で曲解した、二次的な神話にすぎないと否定されてきた。しかし1980年代以降の「ポストモダン」の思想動向と呼応するように提起された研究方法のなかでは、仏教の知によって再創造された「中世日本紀」「中世神話」として位置づけ、中世の時代における死生観が反映された、中世固有の「神話」として再評価する研究が展開されてきた。さらに注釈によって、新しい神話テキストを作り出す実践は、近世の本居宣長、平田篤胤にも通じるものと考えられるのである。中世神話に倣っていえば、「近世神話」である。そこに一八世紀から十九世紀という時代を生きる人びとの「死後の魂の行方」を求める固有の「神話」として意味をもつことが見出されるのである。 　神話とは、時代ごとの現実の起源を語り、意味づけながら、その「現実」を超え出て、変革していく「知」をもたらしてくれるのである。かくして二十一世紀の神話研究のあらたな可能性が、「神話解釈史」の方法的な視座のなかにあることを本論で明らかにした。

참고자료

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