芥川龍之介「奇怪な再会」論 - 境界をめぐる物語 -

서지정보

· 발행기관 : 한국일본어문학회
· 수록지 정보 : 日本語文學 / 1권 / 99호 / 255 ~ 270페이지
· 저자명 : Hayasawa Masato

초록

本論は芥川龍之介の「奇怪な再会」を「境界」をキーワードにして読んだものである。民俗学でもよく知られている通り、境界というのは、「内／外」、や「生／死」、「現世／他界」などといった「二つの世界の間」のことである。そこは日常生活とは異なり、多義性を含んだ特殊な所であり、新しい価値の統合などを生み出す場所ともされている。 さて、ヒロインの発狂を描いた「奇怪な再会」も「正気／狂気」の境界をはじめ、話を語り伝える様々な人達の「嘘／事実」の境界、物語が展開される「年末／正月」という境界、舞台となる「本所」という場所のもつ境界など、様々なところに「境界」のモチーフを見出すことが出来る。もちろん、最終的に発狂していくヒロインのお蓮も同様である。中国人でありながら、日本人の格好をさせられるという民族的アイデンティティの境界（中国人／日本人）、行方不明の恋人の「死／生」のあわいで悩み続ける境界、ほか「常態／変態」なの境界など――ヒロインのお蓮もまた境界にいるといってよい。このような「奇怪な再会」は境界をめぐる物語なのである。

참고자료

· 없음