二つの「敵中横断三百里」 ―＜講談社版＞と＜修正版＞との比較分析を中心に―

서지정보

· 발행기관 : 한국일본어문학회
· 수록지 정보 : 日本語文學 / 1권 / 97호 / 283 ~ 300페이지
· 저자명 : 최준호

초록

本稿は1931年に講談社から刊行された山中峯太郎の『敵中横断三百里』（講談社版）と戦後1957年に小山書店新社から再刊された同タイトルの作品（修正版）を、その共通点と相違点に注目して比較分析を試みたものである。講談社版に比べて修正版には、まず建川斥候隊が活躍する本格的な内容に入る前に、新しく二つの章を設けている。この新しく追加された二つの章の内容は、主に帝国日本が侵略戦争ではなく自衛戦争を行った点、また戦争は天皇の意志ではなかった点、そして早期の平和回復のために努力した点などが強調されている。加えて日露戦争当時のロシアの脅威を再刊当時のソ連による脅威へと作品内ですり替えようとした点も確認できる。修正版においては既存作品の記述を一部修正した箇所も確認できる。特に戦前の天皇中心の国家体制下において露骨に行われた盲目的な天皇家に対する忠誠を連想させる箇所が大分修正または削除されている。このような修正版における変化は太平洋戦争に敗北した日本の実情を反映しており、戦前の国家主義および全体主義的な雰囲気をなるべく作品内から軽減しようとする意図の産物だと言える。

참고자료

· 없음