総力戦体制と芸能統制 - 謡本の本文改訂と新作能 -

서지정보

· 발행기관 : 단국대학교 동아시아인문융복합연구소
· 수록지 정보 : 日本學硏究 / 49권 / 63 ~ 89페이지
· 저자명 : 서정완

초록

権力と芸能の相互関係の本質は総力戦体制下の芸能統制によって露になる。日中戦争によって非常時局を迎えた帝国日本は国力を集中するために文化統制を実施するが、太平洋戦争まで遂行しなければならない状態に陥るとその統制はさらに強化される。 一方、能には家元制度があり宗家の権限が絶大であるという特徴から、謡本の本文改訂は極めて重要な件であり、そう容易に決定されたり行われるものではない。新作能の創作も宗家の厳格な管理の下に置かれる件である。特に江戸幕府の下で保存と再生のみを厳格に全うすることを義務とする式楽であった能は、新たに曲を作るということは極めて稀なことであった。ところが、日中戦争･太平洋戦争によって総力戦体制下に置かれると、皇室関係の登場人物が舞台に登場し能楽師ごときが皇族を演じること自体が不敬であり、神聖な皇室の名誉を損なうという理由から詞章と演出の改訂を余儀なくされることになる。さらには、所謂「天皇の軍隊」は不敗であり、「天皇の艦隊」は不沈であるとする軍国主義を鼓舞する『忠霊』や『皇軍艦』などの新作能が相次いで制作される。一時は能を「国家芸能」としての位置を与えた権力が今度は「芸能報国」という名の下で総力戦体制を完遂するための「総力」を為す「一芸能」として思想戦と宣伝戦に積極的に参加して芸能報国に徹することを要求しているのである。 ここに当時の権力と芸能の関係の本質が端的に現れているのである。

참고자료

· 없음